スタートアップ「SaaS事業」立ち上げの舞台裏(後編)
こんにちは!スリーシェイク広報担当の徳山です!
前編では、SaaS事業立ち上げ初期段階の課題や苦難について話を聞いていきました。
後編では、Incubation事業部が直面した何をやっても成果が出ない暗雲期、また、どのようにチーム文化を築いていったのかなどに触れていきたいと思います!
前編はこちらをご覧ください↓↓↓
スタートアップ「SaaS事業」立ち上げの舞台裏(前編)
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話を聞いている人
・広報担当 徳山
話を聞かれている人
・代表取締役社長 吉田
・Incubation事業部長 手塚
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チーム文化なくして乗り越えられなかった暗雲期
徳山 :続いて、Incubation事業部の働き方や文化について教えてください。
手塚:全社会などでも共有していますが、Incubation事業部は「個々の特性や自由を活かして、枠を超えていく」ことが大事だと思っています。
スタートアップの新規事業という限られたリソースの中で、平均的なアプローチで成果を出すのは難しいので、一人一人の個性を生かす事業部であることが重要だと思っています。
僕もそうなんですけど、短所に囚われるよりも、とにかくそれぞれの強みを最大限に発揮して伸ばしてほしい。前のめりに取り組んでほしいと考えています。
吉田 :文化でいうと、情熱が表に溢れ出ている事業部だと思います。
メンバー全員が「プロダクトの価値を最大限に引き出して、お客様に届けるんだぞ」という共通の目標に向かって一丸となっていますよね。
誰一人として現状に満足してなくて、常にベストを探して、より良い結果を目指して挑戦し続けている。すごいなと思いますね。
徳山 :手塚流「組織の文化の作り方」みたいなものはあるんですか?
手塚:ないな。なんにもない!(笑) 意識してないですね。
吉田 :手塚さんは、もともとSreake事業部の文化の基礎を作ったんですけど、Incubation事業部でも同じように文化を作るってことをしたんだと思います。
手塚さんは、自分が信じて納得したものを自分自身の言葉でメンバーに伝えるんですよ。この事業がいかにこの社会にとって重要か、この事業は何を目指してるのか、逆に僕らはこれはやらないっていうのもね。
徳山 :確かに、手塚さんは、信念とか目標、考えていることを必ずメンバー全員に伝えますよね。
吉田 :そう。だから、メンバー一人一人が、そういうことかと納得して一緒にやっていきましょうとなるんですよね。
2023年の夏ごろがとくに大変な時期だったんですけど、全て手探りで、ひたすらに頑張って、でも成果が出ない。それでもとにかくやるしかないっていう状況だったんですね。こういう時期って、チームが解散したり、プロダクトが空中分解する時期なんですよ。
手塚:この暗雲感が本当につらいんですよ。
吉田 :結果が出るかは分からないけど、頑張るしかないという、もう相当につらいフェーズ。 SaaSベンチャーって基本的にこのフェーズで倒れていくんですよね。
でもそこは手塚さんが作ったチームの文化で乗り切ったんですよ。 文化なくして、あの時期は絶対に乗り越えられなかった。
開発に関しても、全員が提供したい価値が明確に見えてきて、 そこに向かってみんなが協力して作っていくっていうプロセスに変わっていったよね。
当たり前のことを最高のレベルで実現していくこと
徳山 :Incubation事業部の立ち上げからこれまでの成果について教えてください。
吉田 :Incubation事業部の最大の成果は、過去1年半を通して 「当たり前じゃないこと」に対する検証を全て終えたことだと思うんですよ。要するに、あまり細かいことを気にせず、ひととおり考えられることを網羅的にやりきったんです。あえてめちゃくちゃ失敗をしたんです。
そうすることで、一般論や想像じゃなく実データとして我々のSaaSを伸ばすために必要な「当たり前にやること」が解像度高く見えてきたんです。これがもう、経営サイドとしては本当に最高の成果ですね。
手塚:この1年で我々が定義する意味でのPMF(プロダクトマーケットフィット)がやっと見え始めたというところはありますね。
正直、KPIも何が正しいか分からないフェーズでしたからね(笑)
吉田 :1年前は何も分からない状態でKPIを設定していたんですよ。正直それって「お気持ちKPI」で、根拠のない、なんとなくそれっぽい数字に過ぎないんですよね。根拠が明らかになって、やっとちゃんとKPIになりました。
今は「これをやればいい」というのが見えて、チームメンバーが頑張れば、その成果が直接プロダクトの成長につながる段階にきました。この差は大きいですよ。
あとは、目標に向かってやりきりましょう!それだけです。
手塚:今年のテーマでもあるんですが、当たり前のことを当たり前に行う。僕もこれが成果に直結すると思っています。
前編でも話しましたが、BtoBのSaaSビジネスにおいて突拍子もない施策なんてなくて、派手なマーケティング施策をやったから製品が売れるってわけでもない。
やるべきことは、僕らが目指すプロダクト像を適切に持ちながら、お客様と向き合い、スピーディーに開発を進めて、ビジネス部門はその魅力をお客様に伝えてお客様の課題解決が出来るところまで支援するということです。
こういった当たり前のことを、全てにおいて最高のレベルで実現していく。これをやることが全ての課題の解決策になると思っています。
僕たちがやり遂げたい明確な未来
徳山 :最後に、今後の取り組みについて教えてください。
手塚:まずは、プロダクトの理想像を明確に持って、みんなで認識することですね。
その理想像を持ってお客様と向き合って、理想と現実の差を正確に理解して、それに基づいて開発をスピーディーに進めて行きたいです。
ただ、市場のニーズに応えることと同時に、僕らの信念を貫くところは貫いていくことが重要だと思っています。
吉田 :もともとIncubation事業部は、徹底的に顧客志向でいく方向だったんです。でも今って、自分たちが貫きたいものと、顧客のニーズをちゃんと融合させて届けていこうというのがあるんですよね。
この1〜2年間でいろんなお客様と接してきて、プロダクトの課題に向き合って、自分たちがやり遂げたい未来というのが明確になったんだと思います。
手塚:「Reckoner」と「Securify」で、1000件以上の商談を経験して、貫くべき部分とそうじゃない部分みたいなものがようやく見えてきました。
僕らが目指すプロダクト像への道のりの何合目にいるのか、プロダクトに関わる全員がそれをしっかりと理解して、その山に向かって登っていくっていうところですね。
やるべき当たり前のことがはっきりと見えてきたので、その当たり前のことを最高のレベルで取り組んでやりきることを目指していきます!
おわりに
私がプロダクト広報として関わってきたこの1〜2年間、Incubation事業部のメンバーたちの情熱が日に日に増していく様子を肌で感じてきました。メンバーの情熱とモチベーションの高さは、私も大きな刺激を受けています!
また、SaaS事業においては、とことんやりきること、そしてメンバー全員が明確なプロダクト像やビジョンを持つことがとても重要であると、このインタビューを通じて実感しました。
SaaS事業に携わる皆様が、このインタビューから事業展開やチーム運営に関して有益なヒントや気づきを得られれば大変嬉しく思います!
そして、スリーシェイクのSaaS事業の今後の動向にご期待ください!