Salesforceを利用したリードプールの構築 〜全事業部のリードをリサイクルするために1人のインサイドセールスが立ち上がった話〜
はじめに
スリーシェイクでは現在、SRE総合支援サービス「Sreake(スリーク)」、クラウド型データ連携サービス「Reckoner(レコナー)」、セキュリティサービス「Securify」(セキュリファイ)、フリーランスエンジニア特化型人材紹介サービス「Relance(リランス)」の4つの事業を展開しています。
私はセキュリティサービス Securifyの事業でインサイドセールスを担当しており、今回は、当社の全社的なリードリサイクルの取り組みについてお話しします。
私の自己紹介は以下のインタビュー記事をご覧いただけますと幸いです。
セールスの縦割りによる課題
2年前、横断型セールス組織が解散して以降、事業のセールス組織は縦割りで運営されてきました。
インサイドセールスとしては、セールス組織が縦割りであると連携が取りにくく、なかなか辛い側面があります。
スリーシェイクでは顧客管理をSalesforceで行っており、4つの事業で施策を行った結果得た顧客情報(リード)を多数格納しています。
これらのリードは何万件というデータベースになっていますが、もちろん全てのリードにアプローチできているわけではありません。
Sreakeでは、主にクラウドの運営をする大手事業者がメインの顧客層ですし、Reckonerでは企業を問わず営業企画やDX推進部門といった部署がターゲットとなります。
一方、SecurifyやRelanceはセキュリティ関連部署やHR部署が主なターゲットです。
このように、各事業で求められるリードのタイプが異なるため、ターゲットに近いリードには濃いアプローチが可能でしたが、そうでないリードはほとんど放置されていました。
もったいない...。
リード枯渇とその解決策
この状況がありつつも同時に、インサイドセールスなら誰もが頭を悩ますリード枯渇問題も各所で発生していました。
スリーシェイクでもテレアポがアポ取りの基本戦術なのですが、在宅勤務や電話番サービスが普及したことによって、直接の連絡が取りにくくなっています。
少なくとも部署、個人名が特定できていないと、アポ獲得まで至るにはとても厳しい道のりになります。
砂漠に落ちている指輪を拾うくらい大変です...。
インサイドセールスとしては、新鮮なリードは喉から手が出るほど欲しいのですが、マーケティング施策には費用がかかる上に、その結果も不確実です。
「継続して一定のレベルのリードを供給し続ける」というのは、現時点では現実的ではありません。
Salesforceを利用したリードプールの構築
このリード枯渇問題への対策の一つとして、また、放置されたリードをリサイクルすべく、全社で活用できるリードプールをSalesforceのレポートにて作成しました。
※Salesforceのレポートは、各種データを集計・分析して視覚化するツールです。今回は顧客データ(リード)を集計しています。
一定の制限とルールを設けて、全部署が運用できる仕組みもあわせて作りましたので、複数部署間でのリード情報の管理に課題を感じているという方(いるんだろうか...?)の参考になれば嬉しく思っています。
具体的なリードの抽出条件なども説明していますので、Salesforceのアタックリストを作る際のヒントにもなるかもしれません。
実際の抽出条件
契約していない企業のリード、商談化していないリードとする
⇨この条件はマストです。既存顧客や、既にやりとり中の顧客にアタックしないように設定しています。リード作成日や最終活動日が一定期間以上経過しているリードとする
⇨当社では60日に設定しています。施策の効果測定期間や案件発生時のリードタイムを考慮して、活動がブッキングしない適当な期間を設定すると良いかと思います。
過去にアポお断りから一定期間以上経過しているリードとする
⇨一度断られた顧客にはしばらくの間、再アプローチを控える必要があります。当社ではアポをお断りされてから180日間は接触しないように設定しています。その他
⇨他にもダブルブッキングが発生しないように細かく条件を調整しています。ここは事業ごとにもよるので割愛します。
利用条件
活動ログの記録は必須としています。
電話連絡、メール送信、商談の記録を徹底することで、過去のコミュニケーション内容を正確に把握し、他の事業部からの不適切な連絡が行われることによる誤解を防ぎます。
これにより、顧客との関係が損なわれることを避けることができます。
利用方法
このレポートには数万件のリードが含まれているため、そのままアタックリストに転用するのではなく、各部署はレポートのコピーを作成し、特定の条件を追加して目的に合ったリードを選択的に抽出する方法を採用しています。
適切な条件の例としては、例えば、アポ取りのターゲットを想定して部署や役職などを絞り込むといったかたちです。
このように部署や役職を具体的に設定することで、関連性の高いリードに対してより適切なコミュニケーションを図ることができます。
成果と今後の展望
このようにリードプールを作成し、各事業部に利用方法をオンボードしていきました。
既に他事業部では本格的に活用しているようで、嬉しいです!
私の所属するSecurifyチームも新しい施策を進めるにあたってリードが足りてなかったのですが、この取り組みによって大幅に改善し積極的に試行することができています。
とくにSecurifyは新しい機能の追加が続いており、営業方法の刷新、アップデートを細かく行なっています。
そのPDCAを回すためにも大量のリード情報が必要なので、実はこのリードプールによって一番メリットを受けているのは私自身かもしれません(笑)
次はテレアポについてSecurifyインサイドセールスチームにおける数字の測り方などを書いてみようと思います。
おわりに
スリーシェイクでは一緒に働く仲間も募集しておりますので、ご興味があればぜひご応募ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。