スリーシェイクの PM とはいったい何者なのか?
はじめに
みなさんこんにちは!Sreake 事業部で PM を担当している立花です。
私の自己紹介はこちらのページを読んでいただくとして、今回はスリーシェイクの PM について書いてみたいと思います。
「インフラをシンプルにしてイノベーションが起こりやすい世界を作る」をミッションに掲げ、高い技術力で顧客のインフラエンジニアリングを支援しているスリーシェイクにおいて、 PM は一体どんな役割を担っているのか?その一端を知っていただけましたら幸いです。インフラ領域の PM に関心がある方はもちろんのこと、技術もマネジメントも両方気になっている方や、スリーシェイクそのものに興味がある方も読んでみていただければと思います。
それでは本題、の前に、みなさんに質問です。「マネジメント」「マネージャー」とは、そもそも何なのでしょうか?
PM とは何者か?
「マネジメント」「マネージャー」の定義
マネジメントの大家ピーター・F・ドラッカーの著作『【エッセンシャル版】マネジメント』の内容を私なりに要約してまとめたものが上の一枚です。「マネジメント」とは組織の成果に貢献する責任を持つことであり、「マネジャー(マネージャー)」とは組織全体の成果を最大化する責任を持つ者である、と私はこの本を読んで理解しました。また、マネージャーの仕事は以下の 3 つに大別できる、とも理解しました。
目標設定と評価:組織の成果に結びつく目標を設定し、達成度を評価する。
組織の運営:中長期的な視点で見た時に最適な組織の資源配分を決定する。
人材育成:動機づけを行い、各人の強みが発揮できるように能力開発を支援する。
「プロジェクトマネジメント」「プロジェクトマネージャー」の定義
ドラッカーによる上記の定義に則りつつ、個人的な考えも加えていくらか言葉を補うと、「プロジェクトマネジメント」「プロジェクトマネージャー(以降 PM と表記します)」および PM の仕事は、それぞれ以下のように定義できそうです。
プロジェクトマネジメント:プロジェクトの成果に貢献する( = プロジェクトを成功させる)責任を持つこと。
プロジェクトマネージャー(PM):プロジェクト全体を俯瞰し、プロジェクトを成功させる責任と権限を持つ者。
PM の仕事:
目標設定と評価:プロジェクトを成功に導くための目標を設定し、達成度を評価する。
プロジェクトの運営:中長期的な視点で見た時に最適なプロジェクトの資源配分を決定する。
人材育成:動機づけを行い、プロジェクトメンバーの強みが発揮できるように能力開発を支援する。
「プロジェクトを成功させる責任と権限を持つ」という意味で、PM はプロジェクトの成功に必要なあらゆる仕事を担う者であると私は考えています。それゆえに PM の仕事を定型化するのは難しいのですが、これについては後述したいと思います。
PM の必要性
ではなぜ PM は必要なのでしょうか?要約の一枚に書いたとおり「マネジメント」と「マネージャー」は別モノであり、その本質は全体視点の有無だと私は理解しています。ゆえに、プロジェクトメンバーでは持つことが難しい全体俯瞰の視点を持ち、プロジェクト全体を良い方向に導くことが PM の役割・責務であり、PM の存在意義であると私は考えています。
【目標設定】プロジェクトの方向性を示す:プロジェクトに取り組む目的とゴールを定義し、そこに至るまでの道筋をメンバーに提示する。また、メンバーの目指す方向がプロジェクトのゴールとズレてきた場合に軌道修正する。
【プロジェクト運営】プロジェクト推進上の障害を排除する:プロジェクト推進上の障害となりうる事象をいち早く察知して排除することで、メンバーが自分の仕事に注力できる環境を整える。
【人材育成】プロジェクトメンバーを育てる:プロジェクトの推進に必要な知識・スキルを見定め、特に不足している知識・スキルについて、メンバーの能力開発を支援する。
スリーシェイクにおける PM の役割とは?
ここまで一般的な PM の役割と存在意義について述べてきましたが、ここからはスリーシェイクにおける PM の役割と特徴を見ていきたいと思います。スリーシェイクには PM と似た PL(プロジェクトリーダー)というロールの人もいるため、両者を対比させてその特徴を考えてみます。
それぞれの役割を一言で表現するなら、PL ≒ プロジェクトにおける技術責任者、PM ≒ プロジェクト全体の推進責任者、と言えるでしょうか。ここで重要なのが、PL と PM の間のコミュニケーションパスです。スリーシェイクが担当するプロジェクトは技術的な難易度が高いものも少なくないため、高い技術力を持ったメンバーが PL に選ばれることが必然的に多くなります。その PL からの報告を適切に理解し、PL およびチームメンバーの困りごとを解決するために、PM にはプロジェクト推進の能力に加えて相応の技術知見と高い要点整理の能力が求められます。ただプロジェクトを前に進めることだけを考えればいいわけではないため苦労も多いですが、その分さまざまな経験や学びを得られるポジションであり、そこにスリーシェイクの PM としてのやりがいがあるように思います。
ただし現時点では、PL と PM を上図のように明確に区別することはできていません。これまでスリーシェイクでは PL が PM を兼ねていることが多かったため、両者の役割の境界がはっきりと定義されてこなかったためです。しかし、事業環境の変化を見据えて、今後は両者を明確に区別していくべきだと私は考えています。
人材獲得が困難:PL と PM を兼任できるだけの高い能力を持った人材を採用することが難しい。
プロジェクト規模の拡大:実行するプロジェクトの規模が以前より大きくなってきたため、一人で対応できる業務量を超えてきている。
事業規模の拡大:事業をより大きくしていくために、組織的にプロジェクトを実行できる体制が必要になってきている。
PM は社内でも特に人数が少なく、志向するメンバーもあまりいないため、今後どのように社内のメンバーを PM として育成していくか、外部からの PM 採用を加速させていくかが、目下の課題となっています。
PM のお仕事
スタートアップ企業 A 社とのプロジェクトの場合
私が A 社のプロジェクトに参画した当初、インフラチームはカンバン方式でタスクをこなしていたのですが、作業の属人化やメンバー間の状況共有の希薄化という課題を抱えていました。その状況を解消するためにチーム運営の方法をスクラムに移行したいとの要望があったため、その準備と移行を私がリードしました。
移行方針の定義:チーム運営をスクラムに移行するまでのステップと、移行後のチーム運営の方針を定義しました。
スクラムへの移行:チーム運営をスクラムに切り替えた後、チーム目標の設定やスクラムイベントのファシリテーション、作業方針・作業手順の整備など、チームメンバーがスクラムに慣れるための支援をしました。
対外コミュニケーション:メンバーがスクラムのタスクに注力できるように、各種ミーティングへの参加や他チームからの作業依頼に対する調整・交渉など、対外的なコミュニケーションをほぼ私に集約しました。
大手企業 B 社とのプロジェクトの場合
B 社のプロジェクトには B 社マネージャーのサポート役として参画しました。私の参画時点ではチームマネジメントに必要な準備が十分に整えられておらず、それこそがマネージャーの負荷を高めている最大の要因だと認識したため、その状況の解消に注力することにしました。
成果物一覧の作成:マネージャーの頭の中にあった成果物のイメージを言語化し、チームが開発すべきものを明確にしました。
開発ガイドラインの作成:さまざまな場所に散っている情報やチームメンバー個々人が持っている開発ノウハウを抽出して集約し、ガイドラインとして整備しました。
チームメンバーの教育:開発ガイドラインの存在をメンバーに周知するとともに、準拠できていないメンバーに繰り返し内容を伝え、全員が準拠できるように指導しました。
両プロジェクトの仕事内容から言えること
いかがでしょう。どちらのプロジェクトにも同じ PM という立場で参画しているにも関わらず、仕事内容は全然違っていたかと思います。これは PM が「プロジェクトを成功させる責任と権限を持つ」がゆえに起こることです。プロジェクトを成功させると一口に言っても、プロジェクトの状況は千差万別であり、成功させるために必要なことも当然違います。PM は参画しているプロジェクトの状況を理解し、そのプロジェクトにとって必要なことを見定めて仕事をしなければならないため、表面的にはまったく違った仕事をしているように見えるのです。そのため、PM の仕事を体系的に定義して定型化することは難しい(というよりほぼ不可能)というのが私の考えです。一方で、仕事を定型化できないことこそが経験や学びの多さの理由であり、PM としてのやりがいであることは先述したとおりです。
さいごに
いかがだったでしょうか。スリーシェイクにおける PM の役割や仕事についてつらつらと書いてきましたが、何かしらお役に立てる内容があったなら幸いです。スリーシェイクは現在事業を急拡大しており、それに伴って特に PM 人材が圧倒的に不足してきています。
この記事を読んで何かしら響くところがあった方や、超優秀なスリーシェイクのエンジニアメンバーと一緒に働いてみたい方がいらっしゃいましたら、ぜひカジュアル面談にエントリーしてみてください。最後までお読みいただきありがとうございました!