三菱総研DCSとスリーシェイクが共に目指す未来
今回は、三菱総研DCS株式会社の石川 政也 様をお招きし、当社 Incubation事業部 手塚 卓也との対談を行いました。
三菱総研DCSとスリーシェイクは2023年6月にパートナー契約を締結し、三菱総研DCSのサービスブランド「FQ Smart+」(エフキュー スマートプラス)に、スリーシェイクのセキュリティサービス「Securify」(セキュリファイ)が新ラインナップとして提供開始されることとなりました。
この対談では、パートナー契約の背景、三菱総研DCSとスリーシェイクが共に目指す未来について、その背後にある思いを伺いました。
▼プロフィール
「面白い会社がある」驚きのスピード感で協業へ
――まずは会社紹介と簡単な自己紹介をお願いします。
石川:石川政也と申します。
三菱総研DCS株式会社のテクノロジー企画部で 担当部長をしております。
三菱総研DCSは、銀行やクレジットカードなどの金融業をはじめ、製造業や流通業などの一般企業のお客様に対し、SI開発の受託から運用までトータル支援を行っています。
昨今はお客様のIT課題に対するコンサルティングに力を入れながら、各種サービスを提供しており、お客様の課題解決に役立つサービスの拡充に力を入れています。
テクノロジー企画部は全社の技術戦略の立案や、それを踏まえた新サービスの企画・立ち上げをする部署になります。
私の役割は、主にプラットフォームなど基盤系のクラウド活用も含めた基礎検討を行っています。
最近は、クラウドを導入したいお客様へのコンサルティング支援も行っています。
手塚:手塚卓也です。スリーシェイクのIncubation事業部で事業部長をしております。
スリーシェイクは「インフラをシンプルにしてイノベーションを起こす」というビジョンのもと、世の中に溢れる労苦(手作業であり長期的な価値を持たない業務)を無くすようなサービスを、クラウド、セキュリティ、データ連携、HRの領域から4つのサービスを提供しています。
Incubation事業部は、クラウド型データ連携サービス「Reckoner(レコナー)」、セキュリティサービス「Securify」(セキュリファイ)の2つの事業を担っています。
――スリーシェイクにお声がけいただいたきっかけについて、お聞かせいただけますでしょうか。
石川:三菱UFJキャピタル株式会社様から「面白いサービスを提供している企業がある」とスリーシェイクさんを紹介してもらいました。
その後、直接、会話させていただき非常に先進的な取り組みを行っていることが分かり、すぐ上長に「面白い会社がありますよ」と報告しました。
手塚:多くのパートナー企業さんとはお話をした後、検討段階で終わってしまったり、具体的な進行に至るまでに1年、場合によっては2年かかることもありますが、三菱総研DCSさんはお声がけいただいてから約2〜3ヶ月という短期間でパートナー契約が成立しました。
スピード感の速さには非常に驚きました。
石川:通常、弊社も手続きや承認をしっかり行う文化なので時間がかかることが多いのですが、今回はスリーシェイクさんのサービスに上司も大いに魅力を感じてもらえたため、迅速に進めることができました。
手塚:ありがとうございます。
具体的にどのような点に魅力を感じられたのでしょうか?
石川:サイバー攻撃の増加に伴い、セキュリティに関する問い合わせが増えており、とくにWebアプリケーション診断とプラットフォーム診断に対するニーズが高まっていました。
当時、弊社は主に手動で行うセキュリティサービスを提供していましたが、人手不足が課題になっていました。
また、従来の手動診断は、依頼ごとに見積もりを作成して提示、お客様に発注いただいてから診断を行い、さらに診断レポートを作成するまでに時間を要していました。迅速な対応ができず、お客様へのサービス提供にスピード感が欠けているという意見が多く寄せられていました。
そのような状況の中、スリーシェイクさんが提供する「Securify」(セキュリファイ)は、サービスを契約した後、お客様ご自身でいつでも何度でも好きなタイミングで診断を実行できる点に大きな魅力を感じました。
手塚:多くの企業では、依然として年に一度の脆弱性診断で、リリースサイクルやインフラの変化にセキュリティ対策が追いついていない現状があります。
私たちは、Sreake(SRE総合支援サービス)でのご支援や、過去にマニュアルでの脆弱性診断を提供していた中で、この課題を解決する方法を模索してきました。その結果、現在の「Securify」が誕生しました。
「攻めのIT」と「守りのIT」その実現方法とは?
手塚:改めて「FQ Smart+」(エフキュー スマートプラス)の概要について、お聞かせいただけますでしょうか。
石川:「FQ Smart+」は、弊社のサービスブランド名称で、お客様がよくご利用されるサービスを複合させたサービス群です。
コンサルティング、マイグレーション、データ、セキュリティ、運用、プラットフォームの6つの軸を中心に順次、ラインナップを増やしていく予定です。
弊社はこれまで、運用サービスやSI開発を含む様々なサービスを提供してきました。とくに、自社データセンターにオンプレミスのサーバーを設置し、開発と保守運用をワンセットにしたサービス提供が多い状況でした。
しかし、近年、クラウド利用の増加に伴う案件が急増しており、数年前からパブリッククラウドでの構築実績も増えてきました。
こうした中で、従来型のサービスだけでなく、クラウドサービスに踏み込み、新たな価値を提供できるサービスを考案していこうというのが、「FQ Smart+」立ち上げの背景です。
手塚:ブランドの特長に掲げられている「攻めのIT」と「守りのIT」という概念は、私も非常に重要だと考えています。
「守りのIT」を活用しながら、どう「攻めのIT」を実現するか、その中でセキュリティが果たす役割は非常に大きいと考えています。
私も、過去にSreake(SRE総合支援サービス)で様々なお客様と伴走しながらミッションクリティカルなシステムに対して「攻めのIT」に挑戦してきましたが、「守りのIT」が適切に行われていないと、なかなか思い切ったことができない現状があると感じます。
石川:まさにそのような課題感にお応えしたいと考え「FQ Smart+」は今年の初めから新しい取り組みを開始したところです。
これまではパブリッククラウド中心のサービスを考えていましたが、お客様への新たな価値提供をより強く打ち出し「守りのIT」と「攻めのIT」の循環をコンセプトにサービスブランド強化を推進しています。
具体的にはまず「守りのIT」に該当するセキュリティや運用、プラットフォームの維持・管理にかかるコストの最適化を行います。
その後、過剰利用していたコストを「攻めのIT」に転化させ、無駄なく活用していくというイメージです。
手塚:「攻めのIT」を実現するために、「Securify」やスリーシェイクの強みである運用負荷を軽減する技術を活用し、三菱総研DCSさんと連携することで、コスト削減も含めてお客様に様々なメリットを提供できると考えています。
今後の協力関係と展望
――最後に、スリーシェイクと「Securify」に今後期待することがあればお聞かせください。
石川:経営者にとってセキュリティの脆さは経営存続のリスクであり重要課題です。
Webアプリ診断やプラットフォーム診断などを利用してセキュリティをトータルで分かりやすくすることが重要だと考えています。さらに、担当者に聞かないとわからない状況や報告を待つのではなく、管理ツールを使っていつでもアクセスができ、リアルタイムで情報を共有できるツールが求められています。
Securifyには、こういった部分を実現できるツールとして期待したいですね。
手塚:私も、リアルタイムで情報を共有できることは非常に重要だと考えています。これによって、迅速な対応が可能になりますし、全体の効率が向上します。
もう1つ重要な点として、情報漏洩の起点からセキュリティ対策を考えることを大事にしています。
情報漏洩は必ず、何かしらの方法でデータへアクセスできることから発生します。逆に言えば、データへアクセスができない状態であれば、情報漏洩は起きないという視点です。
例えば、このPCに重大な脆弱性があったとしてもネットワークにつながっていなかったり、物理的にアクセスできなければデータを抜き取ることはできません。
クラウドが普及している現在、簡単にサーバーが公開されることで、情報漏洩のリスクポイントが増えています。
今後は、これらを可視化して、継続的に監視できるようにしていくことが重要だと考えています。
石川:スリーシェイクさんには他の分野でも期待をしています。
まず、多くのお客様からお問い合わせをいただいているデータ活用では、システムはローカルにあり、データ分析はクラウド上の別のサービスで行われていたりと、データが様々な場所に分散しサイロ化しています。
そのような課題にスリーシェイクさんが提供する、クラウド型データ連携ツール「Reckoner(レコナー)」に大きな可能性を感じています。
データ連携においても、ぜひご協力をいただいて進めていければと考えています。
次に、AI関連は弊社も基礎検討を進めています。
AIの分野でもぜひ一緒にアイデアを出し合いながら新たなサービスを共創できる強いパートナー関係を築いていけたらと思っております。
最後に、スリーシェイクさんの強みはやはり高い技術力にあると思います。
次の展開として、マイグレーションや次世代開発など、新しい技術を活用したサービスにも注力しています。
引き続きスリーシェイクさんの技術力やスキルを活用させていただきながら、こちらも一体感のある協業体制で推進したいです。
手塚:「Reckoner」においてもお問い合わせが増えており、多くのお客様がデータ連携で困っていると感じています。
また、AIの話も出ましたが、実は「Reckoner」と生成AIの組み合わせが非常に有効です。
例えば、住所変換などこれまではルール化が難しかったデータ処理も生成AIを使うことでスムーズに行えます。
現在、検証を進めていますが生成AIと組み合わせることで、データをより簡単に扱えるようになると考えています。
AI、データ連携やセキュリティなど、今後、さまざまなレイヤーでご一緒できることを期待しています!
――石川さん、ありがとうございました!
なお、両社協業事例の第1弾として、日本ソフト開発様の事例を公開中。
こちらもぜひご覧ください!
おわりに
スリーシェイクでは一緒に働く仲間も募集しております。
ご興味があればぜひご応募ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。