話題の「セキュリティ芸人」を直撃!「脆弱性」に潜む人間らしさと笑いの要素とは?
今回は、会社員として働きながらセキュリティ芸人としても活躍するアスースン・オンラインさんをお迎えし、当社のSecurify bizチームマネージャー林との対談をお届けします。
「脆弱だなぁ〜」のツッコミで話題を集め、YouTube動画は100万回再生を超える人気を誇る、アスースンさん。
本記事では、なぜ「セキュリティ」×「笑い」なのか、そしてセキュリティ芸人になったきっかけとその背後にある想いについて、当社の林が直撃しました!
▼プロフィール
アスースン・オンライン
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・1996年埼玉生まれ、埼玉育ち
・職業:会社員(プログラマー)
・趣味:セキュリティ芸人
・R-1グランプリ2023では1回戦を突破
・情報セキュリティスペシャリスト、サイバーセキュリティアワード最優秀賞
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林 愛子(はやし あいこ) / 株式会社スリーシェイク Incubation事業部 Securify bizチームマネージャー
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・1988年名古屋生まれ、岐阜育ち
・ワーママ(イヤイヤ期を迎えた2歳児の育児に奮闘中)
・座右の銘は「No Pain No Gain」
・リクルート代理店(人材)3年→ITベンチャー、スタートアップ複数社で営業を経験→スリーシェイク(SaaS)4年目
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ふとしたきっかけで踏み込んだセキュリティの世界
――まずは会社紹介と簡単な自己紹介をお願いします。
アスースン:セキュリティ芸人のアスースン・オンラインと申します。
普段はゲーム会社でプログラマーをしています。
セキュリティとお笑いが大好きなんですが、その2つを組み合わせた「セキュリティ芸人」として、セキュリティの啓発活動も行っています。
本日はよろしくお願いします!
林:スリーシェイクの林と申します。
自動脆弱性診断ツールSecurify(セキュリファイ)のセールスチームマネージャーを務めています。
今日は、アスースンさんにお会いできることを、とても楽しみにしてました!よろしくお願いします!
早速ですが、アスースンさんがセキュリティに関心を持たれるようになったきっかけはありますか?
アスースン:きっかけは、「CTF(Capture The Flag)」というサイバーセキュリティのスキルを競うイベントへの参加です。
CTFでは、見た目はただの画像でも、その中にZipファイルが隠されていたり、焚き火で燃えかけたQRコードのメッセージを解読するなどの問題に挑戦します。
そうした問題に取り組む中で「こんなことができるのか!」と驚き、どんどんのめり込んでいきました。
林:見た目では全くわからないところに重要な情報が隠されているなんて普段は意識しない部分ですけど、そこにセキュリティの大切さがあるんですね。
アスースン:そうですね。
例えば、郵送物に貼られたバーコードの写真をSNSで公開してしまっても大丈夫なのか、実はそこに重要な情報が含まれているかもしれないというセキュリティ的な警告の観点があったりもします。
林:そういった問題に対処するには、専門的な知識が必要になると思いますが、その大会に参加された時は、すでにプログラマーとして働かれていたんですか?
アスースン:いえ、当時は学生で、大学の情報工学科で学んでいる時にCTFに出会いました。
学びながらセキュリティに興味を持ち始めた段階でした。
セキュリティ意識の違いが、笑いを生み出す余地に
林:セキュリティの世界はとても奥深いと思いますが、どの部分に面白さを感じますか?
アスースン:僕は「脆弱性」に人間らしさを感じていて、そこに面白さがあると考えています。
例えば、パスワードを付箋に書いて管理することは良くないと分かっていながらも、多くの人がやっていますよね。
それがどこかユーモラスに感じられるんです。
僕自身も完璧なセキュリティ意識を持っているわけではありませんが、リスクを理解しつつ意識して行動することが大切だと思っています。
セキュリティでは意識の違いが大きな要素で、そこにこそ笑いが生まれる余地があるのかなと考えています。
林:私もアスースンさんのグッズのパスワード付箋貼っています!
▼「管理ずさんだけどパスワード頑丈すぎるやつ」になれる付箋ステッカー
▼パスワード付箋が登場する、【R-1グランプリ2回戦ネタ】セキュリティ芸人のフリップネタ
R-1グランプリがもたらした転機
林:セキュリティ芸人をやろうと決断したきっかけはありますか?
アスースン:セキュリティ業界には、総務省や経済産業省がサポートする学生向けの人材育成イベントがいくつかあるんですが、その中に、1年かけてセキュリティに関するものづくりを行うハッカソン(集中的に開発を行うイベント)があったんです。
それに参加したいと思い、セキュリティに関する自分のアイデアを提案して応募しました。
その提案の一つが「セキュリティ芸人」だったんです。
「手相芸人も家電芸人もいるけど、セキュリティ芸人はまだいないな。じゃあ自分がやってみよう!」と思い、セキュリティ芸人のネタやスライドを作って応募しました。
採用してもらえて、そこで初めてネタを披露したのが始まりです。
林:すごいですね。その経験が、今の活動に繋がっているんですね。
アスースン:ハッカソンの最終発表でネタを披露した後、しばらく活動を休止していたんですが、社会人になって再びお笑いに興味が湧いて、R-1グランプリに挑戦することにしたんです。
とはいえ、すぐにネタが思い浮かばなくて、1年間くらい考えても良いアイデアが出てこなかったので、結局、昔のセキュリティネタを使うことにしました。
林:ネタ作りって本当に難しくて、なかなかアイデアが浮かばないんですよね。
実は私...、昔からお笑い芸人になることを夢見ていて、30歳までには芸人になると決めていたんです。
20代の頃には「女芸人No.1決定戦 THE W」にも挑戦しましたが、残念ながら1回戦で敗退しました(笑)。
アスースン:僕は、なんと2回戦まで進んでしまったんです。
「行くんかい!」って感じですよね(笑)。
その後、セキュリティ業界のイベントにも呼ばれるようになり、YouTubeに動画を上げたら、大きな反響がありました。
笑いと共に届けるセキュリティの魅力
林:アスースンさんがセキュリティを楽しく伝えるために気をつけていることはありますか?
アスースン:セキュリティに興味を持ってもらうきっかけになればいいな、という気持ちで活動しています。
難しいことを教えるというより、楽しみながらセキュリティに触れてもらいたいですね。
あとは、できるだけお笑いの要素を前面に出すように心がけています。
セキュリティに寄り過ぎてしまうと、現実味が強くなりすぎて笑えないこともあるので、あえて非現実的な展開にしてポップに仕上げています。
そのバランスが難しいですが、笑いの中にセキュリティの意識を感じてもらえるよう工夫しています。
林:私はセキュリティ商材を扱う事業者として多くの方とお話しますが、セキュリティ意識の不足が大きな課題だと感じています。
そういった中で、アスースンさんの活動には本当に大切な意義があると実感しています。
セキュリティ芸人を続けていて得た成果やよかった点はありますか?
アスースン:取材や登壇の機会が増えました。
警察主催のフォーラムに呼ばれてネタを披露したこともあります。
セキュリティを難しく考えるのではなく、もっとカジュアルに知ってもらうきっかけとして、このような場に呼ばれることが増えてきました。
林:では最後に、今後の取り組みや目標についてお聞かせください。
アスースン:目標は、プログラミングやハッキングに関する番組を作りたいと思っています!
みんなでハッキングを体験するような番組は今までにないですし、プログラミングをテーマにした番組も少ないですよね。
一般向けというよりは、セキュリティに興味を持つ人たちが楽しめるようなハイレベルな内容の番組を作りたいと思っています。
林:アスースンさんのお話を聞くたびに、その知的好奇心と情熱には毎回驚かされ、深く感銘を受けます。
「セキュリティ意識」に対する同じ志を持ちながらも、異なるアプローチで挑んでいるアスースンさんと出会えたことを、心から嬉しく思います。
アスースンさん、本日はありがとうございました!
おわりに
アスースンさんの今後の活動と、スリーシェイクが開発・提供するセキュリティサービス「Securify」の今後の発展にもぜひご注目ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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